もはや説明不要の傑作。カントリーへの愛情たっぷりなギター、ブラス、ピアノを中心とした素晴らしすぎるインスト群。「94 The Long Way」でのブラス隊の導入や、表題曲序盤の流れるような美しいギターは泣けるほどイイ。「There's hell in hello but more in goodbye」(曲名も惚れます)の序盤でひとしきり和やかな陽だまりのようなメロディを聴かせた後、静かでミニマルな展開から徐々に盛り上がってゆく様や、爪弾かれるギター演奏の背後に感じるしんとした空気感も素敵。
インテリジェントテクノと称されるIDM~エレクトロニカの走りみたいなダークな作風だった彼が一転して美しい音響ポップ(AVANT-POP)へと挑んだ傑作。元Slowdiveの Neil Halstead や数々の女性ボーカリストによる甘いラブソングに、大胆かつ繊細な音響処理やトリップホップ的なリズムを溶け合わせている。空間を漂うサイケデリックなノイズと深いエコーのかかった甘美なボーカルとが共鳴して白昼夢のようなサウンドスケープを描き出す 「Just Like You」、軽やかなドラムンベーストラックと柔らかい音色の美しいリフレインがお天気雨の中アーチを描く虹のような情景を見出させる「Summer Rain」、そして「Folie」の後半の展開はまるで深化してゆく音の渦に吸い込まれていくかのよう。途中想像力を刺激する小品をはさみつつ展開されてゆくアルバムはラストまで、いやその後のボーナストラックまで完成された一連のストーリーとなっている。
竹村延和にとって音楽をつくりだすインスピレーションの源は、ふとした日常的なこと(たとえば合わせ鏡の作り出す不思議な光景やふと思いついた語呂合わせ的な言葉)や外国を旅したときの記憶などといったものであるらしい。 そういったイメージからできあがる音は、ヴィブラフォンやハープなどの心地よい音を素材としながらも、構造的には既存の概念をかるく跳び越してしまうとても奔放なものとなっている。 それはもはや、実験音楽、コラージュ、ミニマル、テクノ、ジャズ、アンビエントなどといった音楽的要素の羅列では語ることができない。しかし心地良い音を妨げるかのようなノイズや分裂症的な部分も2割くらいはあるのも確かだ。だが、稚拙さすらうかがわせる残りの大部分に、こどものようなピュアな心象風景を見いだすことができる。
デュオ、トリオ、カルテット、オーケストラ、さらにはソロ活動から他バンドへのゲスト参加などなどやたら活動の幅が広い Chicago Underground 周辺の人たちですが、このデュオは Rob Mazurek & Chad Taylor によるもの。デュオといってもゲストもあったりあんまりデュオという感じではない音の作りですが、 Chicago Underground の一連の作品の中ではエレクトロニクスなどの導入など、もっとも前衛的な作りなようです。1stの本作はどっかにアンビエントっぽいと書かれていたのですがアンビエントというにはちょっとうるさすぎます。というか全体的に難解で、ほとんど聴いてないのですが。しかし5曲目だけはかなり好きだったりする。
「Morning Light」の後にリリースされたシングルで、当時は見かけずじまいで入手できなかったが、このたびオフィシャルサイトでフルレングスMP3がダウンロードできるようになった。音は「Morning Light」と「Wrong」の中間あたりというかんじで、音響効果を施されて冷たさの増した Holli Ashton の女性ボーカルが良いです。さらに、やや粒が粗く強めのトリップホップ的ビートを取り入れており、途中高速化するあたりはちょっと強引な感じもするがまあ悪くは無い。 3.「Murderer, Dreamer」は「I am the Murderer」のトリップホップ色を強めたリミックス。けだるいようなストリングスが大々的に導入されています。
ギタリスト二人 Bill Frisell と Pat Metheny という豪華なゲストを迎えての98年の作品。リーダーはベースですが、やはり2本のギターが中心となって引っ張っています。アメリカンなカントリー色濃いサウンドは、夏の澄んだ青空、どこまでも続く広大な草原風景をイメージさせます。オープニングとなる 「Faith in You」 では二人のギターのまろやかな音色が互いに溶け合うようなフレーズを奏で、心の中に澄んだそよ風をもたらして良い気分にさせてくれます。スローダウンした曲とアップテンポな曲をバランス良く配していますが、とりわけかき鳴らされるギターの音色が疾走感あふれる 「Summer Running」 が最高に気持ちいい!澄んだ空気も感じます。この駆け出したくなる気分、ジャケットにもタイトルにも表れていますね。
ポストロックの代表的存在であるシカゴのTORTOISEの大傑作アルバム。ハードボイルドなギターものから、緩くてのどかで美しいサウンドまで、手腕が広い。ギターやホーン、ビブラフォンの音色など生演奏を中心としていますが、やはりライブ録音を全てハードディスクにぶち込んでから丁寧に練り上げられたからこそ成し得た、ライブ音楽でもなく電子音楽でもない新しい音楽のスタイル。本作でも特に素晴らしいのは終盤 「In Sarah, Mencken, Christ...」からの展開でしょう。軽いハウシーなリズムに乗せてまろやかなメロディーを奏でるアコギが聴く者の心を解放し、後半さらに溶けてゆくかのようなアンビエントが広がってゆく。さらに転調して変態ドラムンベースへと展開する凝り様。
メンバーの多くが音楽以外のアート、イラストや写真などの分野でも活躍するという The Sea And Cake、その中でボーカルを務める Sam Prekop のソロ作。シカゴ周辺の幅広い人脈からのゲストも多く参加しており、プロデュースは Jim O'Rourke ですが、ほとんど生音主体での和やかな仕上がり。やはり Sam Prekop の淡い水彩画のごとくソフトなタッチの歌声には、スローでジャジーな楽器アンサンブルこそが最高の相性だと思います。生ドラムのイントロから始まる1曲目の 「Showrooms」 では、歌声が涼しげな風が優しく吹き付けるように行き交う中盤からストリングスのパートへと移行してゆく展開がたまらない。
インスト主体の The Album Leaf。若い青年の一人ユニットみたいですが、かなり内省的な美しさがあります。各楽器の多重録音に加えてなかなか独特なサンプリングも用いてて、たとえば「an interview」では映画のワンシーンのような男女の会話が流れているさなか、美しいアコギが爪弾かれるという内容。また、6~7の曲間でカチッ、シュボッと煙草に火をつける何とも渋い演出が素敵です。そして、Savath+Savalasの「Journey's home」のような美メロが好きな方はぜひ聴いてほしい「september song」と「we once were (two)」の2曲は、甘美なメロディーにとろけそう。しかしラストの本人の?ボーカルで一気に萎えますけど。
The Orb とも関係の深い Tom Green という人物を中心としたユニットの2000年?の作品。アフリカ音楽というプリミティブなパーカッションのイメージが強いが、本作で主役となっているカリンバ(親指ピアノ)は清らかな響きが美しく、それでいて細かいリズムがあって気持ち良い。さらにピアノやストリングスなどの艶のある西洋トラッド的雰囲気も感じさせる非常に音楽性高いプロダクション。いわゆるワールドミュージック的な系統でありながらも、安易な「癒し」みたいな方向へとはいかず、トリップホップ的なビートやファンクのうねりを感じさせるグルーヴ感の強い曲調やシンセを多用したスペーシーなエフェクトなど、クラブシーンにも受け入れられる側面をもつという1枚です。特に5.では曲名通り2つのカリンバによるミニマルな演奏とモジュレーションを効かせたシンセがかなりトランシー。
よく知らないが母体となるLittle Red Rocketなるバンドではハードな音をやっているらしい女性2人のユニット。現在のところデビューアルバムとなる本作品と、 「November EP」、「Burn And Shiver」 という作品をリリースしています。二人の女性によるボーカルを主体に、ピアノや弦楽などの柔らかい響きを多く取り入れたサウンドは、ジャケットの色あせたセピア色の写真のごとく古き懐かしき時代を思い起こすような優しい母性に満ち溢れています。 「Sleep」、「Safe and Sound」、「Fever」 などなど、どこまでも親しみやすくメロディアスな歌が素晴らしいですが、なかでも滑らかなシルクのようなウィスパーボイスがフォーキーな空気にとけ込んだ 「Rise」、「How Will You Survive」 が美しすぎる!この緩い心地良さ、秋の夜長にぴったりかも。
アンビエント音響ポップソングの最高傑作のひとつ、「Morning Light」 以来となるアルバム。その間LOCUST名義では 「All Your Own Way」 というシングルを1枚出しているが、本アルバムではその中の「Sweet Sky」 を含んでおり、レーベルは TOUCH へと移ったものの曲調はその延長線上にある。しかし 「Morning Light」 のような人間味のある歌というよりも、どちらかといえば Seefeel 絡みのユニット Scala の時のような鋭さのあるロック寄りのサウンドとなっている。また、スロウでダビーなビートなどにLOCUSTらしい音響効果も見られるが、 「Morning Light」 のような色鮮やかで美しいアンビエンスよりも、モノクロームでやや冷たい質感。なお、本アルバムはツインCD仕様となっており、面倒ですが2枚目は隣りの部屋のPCまたはラジカセで同時再生するそうです。現在は LOCUST の最新作や Mojave3、Autocreation などのプロジェクトの新作にも着手しているらしい。
ピアノ・ギターといったアコースティックが表に出て、1stとはまた違った雰囲気。さらに1stでの唯一の不満点だったしょぼすぎるドラムは改善されて、メリハリのあるドラムとなっている。その分やや普通のロックサウンドへ成り下がった感も否めないが、1.「Gust of...」では背後を微妙に電子的なドローンが漂っていて、空間的な深みの増したギターの音響処理なんかは素晴らしいです。本アルバムの中でもハイライトといえそうな10.「The Sailor」では降りしきる雨の中、心地よい残響を残すエレピが美しく、情緒豊かなひとときをもたらしてくれます。インパクトは減ったがダメな曲が無いし、全体的なバランスは1stより良くなっているかも。
「こどもと魔法」での音とイメージを継承しつつ「ミラノ」などを通過し、より優雅になった生音アンサンブル。なんといってもアキツユコによるボーカルがたまらない。アルバム「ソングブック」では英語ですが、本シングルでは日本語バージョンとなっており、やはりアキツユコの少年性を帯びたイノセントで純朴な歌声には断然日本語がマッチしていると思います。曲の方は竹村自身によるクレイアニメのPV通り、不思議な動物やこどもが森の中で色々な体験をしているイメージ。一方「Child's View's Remix」バージョンでは例によってロボ声に細かい打ち込みのリズムというアレンジ。ロボットといってもとろいブリキのロボット。いつも周りの足をひっぱってるんだけど、気は優しくてどこか放っておけないタイプです。
「November EP」からわずか2ヶ月ほどでリリースされた2ndアルバム。精力的ですね。しかもこれがデビュー作から明らかに進化して音の間口が広がっています。デビュー作では郷愁を誘うどこか古ぼけた感じが良かったのですが、今回は洗練されて二人の美しいボーカルも一層際立っている。冒頭からややエレクトロニックなアプローチが続きますが、やはりアコギ1本でのシンプルなアレンジでこそ子守唄のように母性を感じさせる歌声が生きてくる。個人的ベストはラストの1曲。中盤からビートが静かに走り、吹きぬける風のような爽やかさが気持ち良い。
荘厳なチェロを大胆に導入したタイトル曲以下、厚みのある低音が幅を利かせた本EP。いつになく力強い3曲目や、長いドローンから深い鼓動が脈打つ4~5曲目の流れなどに顕著で、ちょっと違った一面を聴くことができます。ラストの1曲はEPのフィナーレを飾る男女コーラスワークが美しく壮大な1曲。「この世界の外れのどこかで愛と幸せが私たちを待っているだろう」という歌詞も良いですね。
なぜだかよくわからないけど1stに比べてかなり聴きやすいと感じた3rd。まあドラムの比率がかなり高くなっているせいかも。特にスピーディーなベースライン上を高速ドラミングが駆け抜ける7.の後半や、8.の前半での電気的なドローンノイズの上をドラムとコルネットのインプロがせわしなく展開されるあたりが良い。しかし、8.は後半静かなアコギソロへと展開する流れもまた好き。10.ではハウシーなパーカッションのリズムで、普段クラブ系のビートを好む人には最も乗りやすいグルーブ感があります。逆にドラムレスな曲としては、ヴィブラフォンとベルの音色が広がりのある残響を作りだす1.や、ピアノとヴィブラフォンがせめぎ合う5.のちょっと謎めいた雰囲気もまた面白いです。
Karaoke Kalkの歌物アーティストとして有名なDonna Reginaのアルバム。サウンドはRegina本人による浮遊感あふれる女性ボーカルをメインとしており、ゆったりとした深海系ディープパッドの 「Let's Get Slow」 は絶品。全体的に鮮やかな色彩を極力控え、線が細くて美しいボーカルのメランコリックな響きを強調させたサウンドメイキングとなっています。かなり親しみやすいポップなメロディーなので、万人に聴きやすい作品ともいえるでしょう。
空間的なギターのフィードバックノイズに Regina Janssen (Donna Regina) とアヤコ・アカシバという日本人女性のハスキーなボーカルが浮遊するという思いきりマイブラ直系のサウンドを聴かせる、その名もギター。 Morr Musicのポップさもここまで来たか、という感じの胸キュンサウンド。コンピにも収録された濃密なギターのレイヤーを聴かせるシューゲイズな「House full of time」から一転静かな「See Sea Bee And Me」への展開が気持ち良い。
アイスランドの非主流音楽シーンで活躍しつつ、様々な芸術表現にも取り組んでいるアーティスト。高貴な美しさの中にどことなく悲壮感も垣間見えるストリングスカルテットを主役とした生音中心の構成で、秋の夜長にしっくりくる一枚である。ただし、1曲あたりの長さが短いのは本来舞台用に作られた音楽だからであろうか。TOUCH から間もなくリリースされる2ndでは、一時間におよぶ実験的な構成のライブを基にした音源らしいので、こちらも非常に楽しみである。
バンド形態のユニット Limp のメンバーとしても知られている弱冠20歳の Manual 2ndアルバム。インナースリーブに記された「.....if only for a moment」の一文が語る、ある夏の日の海岸での、一瞬の輝きへの憧憬が生んだシーサイド・ロマンティクス。電子音・IDM的要素は薄いものの、 Slowdive などシューゲイズサウンドからの影響を大いに伺わせるような、深いリバーブを効かせた空間的なギターサウンドを主役にすることによって、ストレートに胸に訴えかける力をもったドラマティックなサウンドとなっている。 「midnight is where the day begins」 から始まるアルバム構成は、あたかも1日が始まり、日が昇り、そして沈むまでの物語のように展開してゆくが、とりわけラストの 「keeps coming back」 では黄昏時の美しさを思わせるかのような耽美な印象を与える。
北欧から男女4人組のユニット、ムーム。まずこの内向的なアルバムタイトルからしてプラス3ポイントくらいあげたいところですが、実際音も北欧らしい閉塞感が漂いつつ、さんざん言われているようにところどころ寓話性を感じさせるノスタルジックでアンティークな音を聴かせてくれます。前作以上に双子姉妹によるロリータボイスのささやきかけるようボーカルをフィーチャーしているので、これがたまりません。ボーカル無しの曲でも「Behind Two Hills...a Swimming Pool」のように水面に太陽の光がきらきらと反射しているような不思議な音使いにとてもオリジナリティを感じる。
Sogarの新譜かと思って間違って購入。もちろんウソですが。メンバーのオルガンプレイヤー Eric Malmberg は日本のキューピーのCM音楽なんかも制作しているというからビックリ。どこかの田舎町みたいなのんびり感と非常にキャッチーなメロである。スウェーデンの伝統音楽の影響なんかもあるそうで、懐かしい民謡的な趣きもあり。
シカゴはThrill Jockeyのインスト・カルテットによる3rd。非常にのどかで静かな佇まいの室内楽的音楽です。必要以上に耳に訴えかけてこないので、部屋でくつろぎたい時なんかにはちょうど良い安らぎを与えてくれる一作。「Going to Kamakura」(鎌倉?かまくら?)という曲名のせいか、何となく暖かい冬の午後といった趣きの、ジャズを基調にした穏やかな生演奏中心ですが、2.「I'm appealing」での流れるようなアコギの清冽なまでの反復もたまりません。
CALMのコンピで知った310(スリーテン)、過去に5,6枚のアルバムを出しているが公式サイトで見るとどれもモノクロの写真をあしらったジャケである。今作はジャケもカラーになって初のボーカルトラックもありで、ゆったり目の重たいドラムの上に雑多な音楽性を乗せている。人々や車が忙しなく往来する街並を思わせるシティスケープな要素が随所に散りばめられており、曲間の都市の喧騒に紛れてゆったりと波打つように遠くからギターのメロディが現れてくるあたりがナイスである。同様に日常のワンシーンを切り取ったような電話のやり取りを挟んだ上手い演出とともに現れる名曲「Pacific Gravity」の Vocal Version はいよいよ来たぞ!と期待したのに、あんなボーカルじゃ無い方がマシだった。ボーカルは「Opposite Corners」が突出してかっこ良い。
「女の子も頬が赤くなるほど可愛い」といわれるその歌声だけでなく、ルックスも大変キュートなPianaさんです。 World's End Girlfriend の作品にも参加しているらしい。妖精のような澄んだ声もさることながら、柔らかなギター、ファニーなサンプリングカットアップの多用、意図的なスキッピングや微弱な電子音の挿入などといったバックトラックが、ボーカルの魅力を損なうことなく効果的に新鮮味を出している。なんでも、作詞作曲からトラックメイキング、録音までをも一人でこなすという力量の持ち主だそうです。なお、US盤は Taylor Deupree のJ-POP専門(!)レーベル、 Happy の第一弾として新曲付きでリリース。
こちらは3rdアルバム。 Type Records のサイトにある Xela のミックスに使用されていたので久々に思い出して聴いてみる。1stに比べてのんびり感は薄れたようだ。やはり8曲目がいい。 Xela のミックスでの、この曲から Marsen Jules の未リリース曲へのつなぎも好きだ。ちなみにこの Marsen Jules ですが、Autoplate というネットレーベルから出してるMP3アルバムも、オーガニックなアンビエントでかなりいい感じですのでぜひ聴いてみてください。次のアルバムはCCOからだそう。話は Sagor & Swing に戻りますが、2004年5月に4thアルバム「Orgelplaneten」がリリースされ、この名義は解散とのことです。Hapnaで試聴した感じグルーヴィーでやたらかっこいい感じである。サビメロが昔聴いていたゲームミュージックを思い出させた。
シカゴはThrill Jockeyを中心とする音楽コミュニティからポップフィールドへとその名を大きく知らしめた代表作 「Oui」 から約2年、通算6枚目のアルバム。その間メンバーは各々ソロでの活動も多く、特に集まることは少なかったらしい。まず出だしの1曲目、シンセが煌びやかに浮遊する中、爽やかなギターのフレーズとリズミカルなドラムが気持ち良く疾走し、インスト曲か?と思いきや後半柔かな歌声が入ってきて一気にもってかれます。また、四つ打ちのビートが力強く走ったり、ミディアムテンポの曲調から急展開してディストーションを効かせたギターのリフが活躍したりと、いくぶん骨太になった印象。依然として 「Oui」 こそが完成された最高傑作の感もあるが、良作です。
音響・ノイズ系大御所レーベルMEGO唯一の日本人女性アーティスト、ツジコノリコの3rd?アルバム。優しくてキュートな歌声によるポップさ、奇妙な詞の世界と電子ノイズによるアンバランスな危うさが微妙に均衡する、かなり刺激的な内容。特に 「Bikini」、「Sea」 が好きです。楽しいような不安なような、よくわからない不思議な気分にさせてくれる。日本版はジャケットも新たに特典付きでリリースされています。
シューゲイザー系のバンドは詳しく知らんが、あまりにもツボな音に出会えた。ライツ・アウト・エイジア。本当は2007年リリースの前作「Tanks and Recognizers」をベストに挙げたいところだが、本作も十分に良い。