SOGAR : Apikal.Blend
前作「Stengel」は暖かなフロウが印象的でしたが、本作はガラスのように透き通った冷涼な質感が際立っており、細やかに乱舞するグリッチノイズがあたかも光の乱反射を思わせてくれる。また、前2作を上回る非常に複雑かつ緻密なプロセッシングが光っており、展開の妙によって多彩な表情を捉えることができます。特にある部分での緩やかに旋回するムードから徐々に形成される美しい電子アンサンブルが突如カオティックに崩壊してゆく展開には、ひときわ目を見張るものがあります。 SOGAR の特長でもあるレイヤーに織り込まれた淡いメロディーがきれいな曲もしっかりありますので、難解で人を寄せつけないミニマルへと偏向しがちな音響・ノイズ系とは相反して耳と脳を優しく刺激してくれる SOGAR の作品は純粋に楽しめます。