PIMMON : Secret Sleeping Birds
2羽の小鳥に捧げたという微笑ましいエピソードや、ジャケットのあちこちに描かれたキョロちゃんみたいな絵から察することができるように、過去のいかついテクノイズの作風を脱してずいぶん聴きやすくなった1枚。さすがにジャケ通りの可愛らしい音を期待すると肩透かしを食らうが、独特の音使いに非常に個性を感じる作品です。かなり抽象的ではあるが感情を持った電子音・ノイズと言えなくもない。 1曲目「Want Fly Away」から4曲目まで、小鳥の夢想空間を表現したかのようなややダークで不思議な雰囲気。メロディをひしゃげた 5曲目あたりからややリスナーを振り落とすかも知れないが、実は聴き進めると後半に電子世界上の小鳥の楽園のような情景が出現する。そして、警報のような音が飛び交う9曲目「Peek Spectre」はアルバムの中でもハイライトといえる壮大な1曲であろう。