OUTSIDE : Discoveries
OUTSIDEはもともと出所がアシッドジャズなだけに、いわゆるフューチャージャズ系の音のほかのアーティストとは若干スタンスが異なる気がします。でも、Matt Kooper自身がれっきとしたライブミュージシャンなだけに生音のセンスは群を抜いており、宇宙への憧憬の念をテクノロジカルな手法を取り入れて具現化しようとするところなんかは、やはりフューチャージャズとして括られるべきところ。このアルバムでは13分間にわたる 「Sketchbook of a Voyage」という曲の中で、まさに宇宙を旅するようなスケールの大きいサントラ的世界を創り上げている。ファンキーな序章から、成層圏を離れてリスナーを徐々にイマジネーションの世界へと駆り立てていく。途中Bylon Wallenによるサックスが入るあたりから不穏な雰囲気へと転換してゆき、OUTSIDE号はスターダストとの衝突を繰り返す小惑星エリアへと入ってゆく。そしてついに、水面をそっと撫でるかのような瑞々しいタッチのピアノソロが美しく輝くオリオン座の星雲を演出し、まばゆい光を放ちつつリスナーを祝福してくれるのである。この曲以外にも、輝く宝石のごとく美しいローズのメロディーラインと駆け抜けるブレイクビーツがよくマッチした 「Finding ALH84001」 もマストな1曲です。