LTJ BUKEM : Journey Inwards
日本版のスリーブには「人類をネクストレベルへと導く」と書いてあるものの、そういった気張ったものではなくてむしろLTJ BUKEM自身が今まで聴いてきた数々の音楽を「内面への旅」によって回想し、それらを現在のテクノロジカルな手段によって再生させたという感じである。荘厳なチェロのソロ曲 「Point of View」から展開される「Viewpoint」はドラムンベースが進化形といえるブレイクビーツ、曲の展開のしかたも作り込まれた感じで途中スムースなリズムになる個所やその後のチェロが奏でるフレーズが印象的だ。全体を包み込むコズミックなアンビエンスも美しい。 「Close To The Source」はGLRの王道を行くディープなアンビエント・ドラムンベース。漂うような空間の中、間があってスムースな2拍のステップが駆ける。個人的には 「Twilight Voyage」で見せたような流麗で華やかな感覚も期待していたが。