JOHN BELTRAN : Ten Days of Blue
アンビエントの名作として長らく再発が望まれていたが、2002年についに再発された。前作での重たいビートやジャズの要素などはほぼ完全に影を潜め、アンビエントを前面に押し出している。1曲目がいきなりノイジーなビート物で驚かされるが、そんなのも許せちゃうくらい素晴らしい曲が多く、「The Sky EP No.2」とともに彼の最高傑作でしょう。何と言っても彼の作品の中でも最高に美しい 静謐さと雄大さを兼ね備えた「Collage of Dreams」を始め、深遠なハーモニーを聴かせる「Soft Summer」や、「Gutaris Breeze (6000km to Amsterdam)」などでは、以前のような重たいブレイクビーツを用いずとも実にリズミカルでミニマルなメロディーの連なりが不思議と疾走感を感じさせる。この散りゆく花のような美しさと儚さの同居する孤高のメランコリーは、今後も輝き続けることであろう。