EKKEHARD EHLERS : Plays

Albrecht KunzeとのユニットMARZでは素晴らしくポップな傑作をリリースした Ekkehard Ehlers 。本作は音楽家、映画監督など彼が敬愛する5人の偉人達をトリビュートしたアナログ連作をコンパイル。トリビュートといえども単純な「Sampling」ではなく「Reference」という概念に基づいているようだ。音楽的にはエレクトロ・アコースティックなドローン系から短い電子音の断片や生音から成る楽曲の2通りに大別できる。前者のタイプでは優雅で壮大なオーケストラルアンビエントや、わずかに変化してゆくミニマルな弦楽多重奏のフレーズが大変美しい。一方、後者ではフリージャズ的な不協和音やミステリアスなチェロの響きが狂気の潜む人間性を表現したりするのだろうか。実際ブックレットには各偉人に関連した場所の衛星写真が収められているが、 Albert Ayler の写真は晩年謎の死を遂げたN.Y.のEast River らしい。ラスト1曲のみ断片クリックハウスですが、あたかも Robert Johnson の人生のように…。