MARZ : Love Streams
傑作ぞろいのカラオケカークの中でも特にリスナーを選ばず広く受け入れられる、ポップで完成度の高い1作。タイトルそのままの優しく牧歌的な生音が紡ぎ出す素朴な持ち味を生かしつつ、フィールドレコーディングや耳に優しいノイズ、ときにはハウシーなリズムを取り入れており、まさに「アコギの音色がスイスイ泳ぎ、エレクトロニクスの波紋を作りだす」、という表現が的を得ています。また、いくつかあるボーカル入りの曲の中でも 「Everybody had a hard year」 は最高に美しく、ヒューマンタッチな愛に満ち溢れた1曲。起承転結のあるアルバム全体の構成力がまた素晴らしく、あたかもひとつのストーリーを楽しむかのように最初から最後まで聴き込める。